2024年の経済の話

今回は趣を変えて2024年の日本の経済について少し書いてみたいと思います。

2024年現在、アベノミクスに引き続き内閣はまともな経済対策を行っていません。安倍政権時代に政府が唯一行っていた経済政策である「日銀の異次元緩和」これをどう後始末するか?というのがこれから10年ぐらいの日本の経済政策の中心になるでしょう。

1.利上げはあり得るのか?

日本が利上げを検討するようになったのは円の価値の毀損を止めるため、です。つまり円高に振れれば利上げをすることは私は無いと思っています。春闘で 5% の賃金上昇が合意に至ればマイナス金利だけは解除するでしょう。しかし、それ以上金利を上げることはないと思います。

日銀は黒田時代から、日本人のセンチメントとして物価の上昇を受け入れさせる、そのために外圧つまり円安を使いたかったのです。そこでお金をどんどん刷りました。安倍政権と一緒になって禁じ手である財政ファイナンスをやらかしてしまったのです。しかし円はそう簡単には安くなりませんでした。私は日銀の定例記者会見で黒田総裁がおかしいなぁと首を傾げているのを今でも覚えています。

どうして円が安くならないか?というと、円の持つ支配力の弱さが原因だと私は思っています。日本の政策など端から世界に相手にされていないということです。それは原発がメルトダウンして円が買われる理由を考えてみればわかります。

ちょっと話がそれましたが、日銀のスタンスとしては黒田前総裁時代は「どれだけ円の価値が毀損されても構わん」というスタンスでしたが、植田総裁は少し異なるように見えます。見えますが、恐る恐るという感じですね。円の価値を毀損するという安倍政権時代と同じ方向で政策が運営されるが、極端にならないように出口戦略のチラ見をアピールしつつである、と私は思っています。

というわけで、来年中にゼロ金利政策は撤廃されないでしょう。しかし YCC はやめる可能性が高いと思います。日銀は政策金利を上げないことで株価の下支えや住宅ローンの破綻を避けたいと思っていると私は思っています。

2.株価はどうなる?

FRB が利下げをちらつかせることでドルインデックスは結構下がりました。それに伴い日経平均も下がりました。基本的に日経平均はドル円との連動性が高いので、アメリカが利下げを行ってドル安になっていくに従って日経平均株価も下がっていくだろうと私は思います。

ただ、FRB が利下げを実際に行うとダウ平均や物価がもう狂ったように上がってしまってちょっとおかしなことになってしまうでしょう。今非常に舵取りが難しい状況になっていると思います。私は FRB は利下げを行えないだろうと思っています。

結局アメリカの株式と為替に日経平均は依存していると思います。つまり、ダウの押し目で株を買え、というのが正しい戦略だと思うのですが、ダウ平均の狂ったようなカーブを見ていると今はちょっと怖いなというのが私の感覚ですね。

3.バブルは弾ける?

中国のバブルが弾けた、なんて記事をよく見かけますが、それでも GDP の成長率は 5% もあります。日本の成長率は 1% ぐらいなのを考えると、中国は今でもまだ全然バブルだと私は思います。

中国のバブルが本気で弾けたときが世界のバブルの弾ける一つのきっかけになるのかなと私は思っています。しかし中国政府はその独裁政治でそうならないようにしようとするでしょうし、今もそれをやっているのでしょう。しかしそういうことは歪みが溜まってくるんですね。いずれは怖いことになりそうだなと思いますが、そのときには戦争になるのでは?という気もします。

また、FRB が利下げして株価がめちゃくちゃな上昇を続けたときにも突然なんの前触れもなく崩壊する可能性もありうると思います。もちろん今はサーキットブレーカーもありますが、センチメントが変わってしまって崩壊ということはあり得なくはないと思います。

最悪の展開としてバブルが弾けた場合、また円が買われて購買力平価的にドル円は60円を切りそうだなと思っています。その時日経平均はダウ依存ですが日銀がひたすら買って買い支えるということになるでしょう。

4.予測は無意味、流れについていくだけ

今回、経済の基本原則である「予測をしてはいけない」を破って予測をしてみました。経済は、神の見えざる手によってバランスが取られようとするのに、挙動は不安定です。それはカオス理論を少しかじったことのある人ならそりゃそうだろう、と思うはずです。だからわからないというのが正しいのです。

人と逆のことをやれ、とはよく言ったものです。