カランダッシュ 849 ― 巨人の書き味

超有名ボールペンであるカランダッシュの849、持ってます。

はじめに

カランダッシュというメーカーはもともと鉛筆のメーカーらしくファーバーカステルと少しかぶりますね。ファーバーカステルはドイツのメーカーですが、カランダッシュはスイスのメーカーです。

カランダッシュは1915年に設立、1924に現在の名前に変わって、1929年に繰り出し式のフィックスペンシルを発売します。ボールペンを作ったのは1953年で結構遅いですね。ちなみにまともなボールペンができたのは1943年だそうです。1949年には日本の会社のOHTOが鉛筆型のボールペンを発売します。六角形のボールペンというのは実は意外と定番だったのかもしれないですね。そして、1969年にこのカランダッシュの849が出たみたいです。半世紀以上の歴史があるということになります。

どうして買ったか?というと実は使っているところを見かけたからです。849の存在自体は知っていたのですが、あるインテリアショップの店員さんが、上着の腰のポケットからこの849を取り出してサッとメモして戻したのを見たんです。その時にその1色で継ぎ目のない佇まいとかがかっこよかった。あと聞きしに勝るゴリアットを使ってみたかった。そんなに高いものではないと知っていたので、1本買おう!そう思ったわけです。

使用感

849はジョッターと並ぶくらいの知名度があると思いますが、作りは全く異なります。

カランダッシュ849

ジョッターはですね、ノックした時にガッチャンガッチャンとうるさく、矢羽のクリップも板を打ち抜いて曲げて作りました感が満載です。替え芯の交換も簡単!ですが、替芯とさ程変わらない本体価格!全体的に野暮ったくて下町感あります。でもジョッターはそれでいいと思うんです。合理性の塊。

パーカーはイギリスの会社ということになっていますが、もともとアメリカの会社で、イギリスに移転して、アメリカの会社に買収されて、イギリスの工場は閉鎖してフランスに工場があるっていうグローバルな、アメリカっぽい会社です。

それに比べてカランダッシュはちょっと違いますね。オシャレですし、合理性よりはデザインや持つ喜びにウエイトを置いている気がします。849でもその価格以上の満足感が持っていてあると感じますね。軸の塗装なんかも分厚そうで、ホーローみたいな雰囲気あります。

この見えにくいところにロゴが入っています

品のあるノックしたときの感じ、あんまりカチャカチャ言わないんです。スチッ、スチッ、という感じ。シャレてる。書き心地はゴリアットと言われるカランダッシュ独自のもので、そこそこ滑らかです。普通の油性よりは柔らかいが、柔らかい油性よりは硬い、ちょうど中間のような感じですね。色も真っ黒ではなくて少し薄めです。

手に持った時の感じ

私の評価

☆☆☆☆★・・・めちゃカッコいい!気持ちいいペン

いやめちゃくちゃミニマルな感じがカッコいいんですよ、口金とかなくて継ぎ目がなくてすっとしてて、しかもノック式で使いやすくて、ノックするときもめちゃ上品で、あと長さが他の筆記具よりも少し短いのもなんかオシャレ。上着の腰のポケットに入れても斜めに引っかかったりしない、いや本当にいい。誰かに貸すときにはわざとペン先を引っ込めた状態で渡してノックさせたい、そういう変な気持ちにさせるペンですね。

星を一つ減らしたのはですね、ゴリアットがそんなに好みではなかったのです・・・。硬さはそれほどでもないんですが、もうちょい色が濃かったらなぁ・・・っていうのがその理由です。あーこれがパーカー互換だったらなぁ・・・替芯アダプターは口金がカチャカチャいうんですよね。カランダッシュが新しいインクを出すのを待つばかりです。