Nikon遊 4x10D ― 街の双眼鏡

ニコンの双眼鏡、「遊」を数年前から使っています。

はじめに

私はギャラリーに結構ふらっと行くのですが、パピリオはかなり重くて仰々しいですし、単眼鏡も持っているのですが以前のレビューのようにちょっとギャラリーでの作品鑑賞には向いていないのと常々感じていたので、常時携帯できる双眼鏡があればなと思って探していました。

比較された機種

まずコンパクトで携帯性に特化した双眼鏡を調べてみると、ニコンのものが並んでいたんですね。実はニコンの双眼鏡を買ってみたい、という希望はなんとなくありました。私はニコンの商品というのはなぜか縁がほとんどなくて、コンパクトな双眼鏡を買うのならそうだニコンにしてみようかなとも思いました。

ニコンには3種類の携帯用の双眼鏡があって

ニコン遊 4×10
収納時:52x19x93 65g
ニコンミクロン 6×15
収納時:48x36x108 130g
ニコンミクロン 7×15
収納時:47x36x108 135g

があります。購入した動機はいくつかあったのですが、以前の Vixen の単眼鏡のときにも書きましたが、意外と4倍ぐらいが手ブレの関係でギャラリーで使うのはいいのではないかなと思っていました。

ニコンミクロンは実はすごく質感がかっこよくて、独特のクラシカルな感じが惹かれました。これに関しては店頭でも触ってみたのですが、設計が古いのか展示品であったのが理由なのかはよくわかりませんが、見え方がそこまで良くなかったです。

あとミクロンは意外と大きいというか収納に困る形だった、最短合焦距離が2mだった、単眼鏡で持っている6倍だった、比較すると高価だった、等の理由で候補から外れました。が、ポロプリズムであることやその質感がいまだに心惹かれます、視度調整リングも付いています。リニューアルされたら買うかも。

使用感

実はこの双眼鏡、携帯性を重視したために普通の双眼鏡には付いている機能が削られています。それは視度調節リングです。どういう機能かというと、左右の目の視力差を補正するもので、そのために左右の視力が違う人はコンタクトレンズかメガネ使用が前提です。眼鏡との併用はアイレリーフが高く結構快適で、良く出来てると思います。私は視力がかなり悪いので、視力補正値が-6.0とかなのですが、裸眼だと無限遠は出ない感じです。

Nikon遊 4x10D
ニコン遊のニコンのロゴ

単眼鏡と違ってとても持ちやすく片手で持ってもなぜか手ブレしにくいです。4倍という倍率は一見使い勝手が悪そうに思えますが、室内で使うことを考えると必要十二分といった感じです。観劇も顔を見たいとかそういうのが目的でなくて補助的な使い方ならいいのではないでしょうか。

持ちやすい

よくわからないのですが、瞳径に関わらずほんの少し動かしただけでブラック・アウトして見えなくなってしまう双眼鏡とかもあるような気がするんですが、光学系の設計?アイレリーフ?なんでしょうか?謎です。この双眼鏡に関してはブラック・アウトしにくいような気がします。持ちやすさとかもあるんでしょうか?

ニコン遊の接眼レンズ
ニコン遊の対物レンズ

あと実はこの双眼鏡、最短合焦距離が1.2m になっていますが、それより近くでもピントが合います。ただ、パピリオのように銅鏡を内向きに向ける機能が付いていないのでちゃんと物を見ることができないんですね。遠視の方のためにそうなっているのかもしれないですが、付け加えておきます。

私の評価

☆☆☆☆☆・・・目的合致度
☆☆☆★★・・・双眼鏡一般として

単眼鏡に比べると双眼鏡というのは両目で見るというメリットがあります。両目で見ると若干立体視されることがまずあります。それに視力検査の時に両目のほうが片目よりも視力が出るという経験をされたことのある方が多いと思うのですが、そういった意味でも双眼鏡のほうが圧倒的に見やすいです。そしてこのコンパクトさ!ほんの少し日常の体験を変えることができる良い買い物だったと思っています。

屋内で使ったり町中で使ったりする分には薄くて(重要)コンパクトな携帯性も含めて、さらに双眼鏡で見る時の仰々しさが抑えられることも含めて、これがベストだと私は思います。

リンク

ニコン 遊 4x10D CF(公式)